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感想
リモートワーク関係なく普通にいいマネジメントの本だった。
ポイントサマリ
ローンチ(リローンチ)・ミーティング
- チームの成果の60%はプリワーク(事前準備・チームの設計)、30%はローンチ・ミーティング、10%は日々の実際のチームワークによって決まる
- プリワーク
- どういう形のチームにするか、果たすべき機能やメンバー構成や設計などを決めるチームの誕生前に行うもの
- ローンチ・ミーティング
- チームとしてどのように業務を進めていけば最大限の成果を上げられるかを全員が理解し合意する
- リローンチ・ミーティング
- 過去現在未来を点検し、状況変化に応じて方向付けや方向修正
- 見解の不一致は必要
- どういう方法で目的地に到達するかの対立は構わないが、目的地の認識は合わせる必要がある
- 目標・役割・リソース・規範の認識を一致させる
- チームメンバーは自分や他人がチーム内でどのようなポジションにあるかを正確に把握していない
- どの業務やチームにどのくらいの時間を割くべきかの認識に違いがある
- コミュニケーション規範を設定する
- リモートコミュニケーションのルール、チャットツールの使い方などについて全員がストレスを感じず孤独にならないように基本原則を定める
- ざっくばらんな交流チャンスがない分、それを埋める規範が必要
- 会議のアイディアはデジタルに書き出しておく、業務連絡のタイミングを決めておく、仕事と家庭の境界線の守り方、など
信頼関係
- 信頼とは相手の発言や行動や判断に従っても大丈夫そうだと安心でき進んで従おうと思えること
- リモートでは信頼関係構築の基盤となる毎日の自然発生的なインフォーマルな交流がない
- 認知的信頼と感情的信頼
- 認知的信頼の基盤となるのは「この人ならあてにできる、頼れる」という確信、頭で判断する
- 感情的信頼の基盤となるのはお互いに対する思いやりや気遣い、友情と似ている
- リモート環境下では認知的信頼は早々にピークに、感情的信頼がピークに達するには時間がかかる
- 信頼関係を後押しする直接情報・反映情報
- 直接情報、リモートにいる同寮の個性や生活ぶり、仕事の状況を知ることで相手の仕事を信頼しやすくなる
- MTG冒頭や1on1での雑談などで情報を知る
- 反映情報は相手の目に映る自分の姿への認識、同僚が自分を理解してくれていると思えれば相手を信頼しやすくなる
- リモート環境でも相手を注意深く観察することで収集できる
- メールやチャットのレスをいつくれるか、同意してくれることが多いか不満そうなことが多いかなど、規範が人によって違うことに気づければ、気づきを元に自分の行動を修正できる
- 直接情報、リモートにいる同寮の個性や生活ぶり、仕事の状況を知ることで相手の仕事を信頼しやすくなる
- 感情的信頼
- 確実な方法の一つが自己開示、コミュニケーションの中で自分の情報を小出しにする、プライベートな話を織り交ぜる(節度は守る)
- リモートワークにおける信頼構築
- 完璧な信頼ではなく、まずは情報収集や業務遂行にとって必要十分な「適度な信頼」を確保する
- まずは「必要十分なだけ」メンバーを信頼する。メンバーの能力の判断材料をチェックし限定付きで相手を信頼する。その一方で今後も信頼し続けられるか否かの判断材料を積み重ねていけばいい
生産性
- 監視ツールの導入は「お前を信用していない」というメッセージとなり、チームワーク成功の土台が崩れる
- チームパフォーマンスの3つの評価基準(ハックマン)
- 結果
- 個の成長
- 自分はこのチームに所属することで充実しているか、成長を実現できているか、チームはそこを気にかけてくれていると実感できるか
- 成果にダイレクトに影響しなくても、仕事満足度の上昇につながり、ひいてはチーム全体の生産性強化につながることが多い
- チームの結束
- チームワークのスキルを身に着ける必要がある
- 人間的なつながりがその学習プロセスに欠かせない
- 自律性
- 自分で自分をコントロールできる環境にあることが自律性であり、自分が信頼されている証拠であり、それが主体性を生み、個人の都合に合わせたスケジュール設定が可能になることで効率改善を促す
- リーダーは監視をやめ、必要なツールやリソースを提供するにとどめ、各人の業務目標を達成する方法は本人が一番理解していると考える
- 仕事がしやすい環境
- リモートで自律性が増し仕事と家庭のバランスがとりやすくなり幸福感が増す一方で、自宅環境次第では持続的作業に必要な集中力が欠け葛藤や不安を感じることがある
- リーダーは仕事環境の最適化を目指してサポートする
- チームの結束
デジタルツールの活用、解決すべき課題
- テクノロジー疲れ
- 連続したビデオ会議は疲れを引き起こす
- 移行時間、後処理の時間を確保できない
- ビデオ会議だけでなく多様なツールをTPOに合わせて選択する
- リーダーはこのチームにどういうコミュニケーションカルチャーを形成したいかを決める
- 連続したビデオ会議は疲れを引き起こす
- 相互知識
- 有効なコミュニケーションが成り立つ条件の一つが「共通の前提や理解の存在」
- それが無いとリモートワークを阻害する
- 例
- 自分の背景情報を相手に伝えないことで理解されない
- 別のPrjで忙しい状況、など
- メールチェックの頻度の習慣を伝えないことで共有速度に差が出る
- なかなか返信をくれない人だと思われたり
- 自分の背景情報を相手に伝えないことで理解されない
- トラブル時に情報が少ないと、原因を人間関係や個人的問題に帰する傾向がある
- 相互知識の上でデジタルツールを利用する
- 有効なコミュニケーションが成り立つ条件の一つが「共通の前提や理解の存在」
- 社会的存在感
- リッチメディアとリーンメディア
- 繰り返しコミュニケーション
- チームメンバーを動かすために複数の種類で繰り返しコミュニケーションする
- ラインの権限を持つマネージャの例
- まずは非シンクロなコミュニケーションで「このままではまずい」と伝える(メールなど)
- それでも部下の行動がすぐに変わらないとシンクロなコミュニケーションを通じて本当にまずい事態であることを伝える(チャット、ビデオ会議など)
- ここで始めて温度感が伝わることも
- ラインの権限を持たないプロジェクトマネージャーの例
- 最初にシンクロなコミュニケーションで伝える
- 後で非シンクロなコミュニケーションで補強する
- 非シンクロメディアなら受け手が時間をかけてメッセージを処理・消化できる
- 文化の違い
- 多様な文化を受け入れ、自分の信念や認識を押し付けない
- 対面を重んじる文化ではリッチメディアが好まれる
- まずは雑談から入る文化の人にはチャットのほうが適している
- 欧米文化では悪い知らせはリアルタイムで伝えるものとされるが、グローバルチームではまずメールで知らせて受け手が非シンクロに情報を処理してからのほうが良いことが分かった
- 業務にどういうメディアを使いたいかに関しては、必ずコミュニケーションの相手に意見を聞く
- 多様な文化を受け入れ、自分の信念や認識を押し付けない
- ソーシャルツールの活用
- 地理的距離がある中、相手が何をしているのかが見えることでつながっている実感が生まれる
- 業務外コンテンツや雑談も適度に存在したほうがよい
- ツールを導入するだけでは不足、ツールを利用することで社員に、組織全体にどういうメリットがあるのか、リーダーが方向性を示す必要がある
- リーダーもツールに参加し規範を見せる
- 公式発表限定の利用だと社員はしょせん管理職の情報周知手段でしかないと受け止める
- 地理的距離がある中、相手が何をしているのかが見えることでつながっている実感が生まれる