書評)WEB+DB PRESSまとめ

参考になった記事をメモ。
 

Vol.117


通常のJavaScript で実装してからTypeScriptに置き換えていく記事がすごくわかりやすかったし、たしかうちにもサーバーサイドでJS使ってるチームあったから役立ちそうだな、とか、
AWS/GCPコスト削減の記事は、どういう削減アプローチがあるかの説明がわかりやすくてマネージャでも理解できたし、
Windows の開発環境の記事を参考に、実際に会社のPCに環境構築してみたら(ちょいはまったけど)、こんなこともできるようになったんだと感動。
きちんとPHPの記事ではPSRについて復習できたし、
とてもよい号でした。

 

Vol.116

新連載の「マネジメントの現場」がEngineering manager に関するトピックで面白かったのと、「わかりやすいFAQの書き方」があまりこういう観点の話ってこれまで整理されたものを読んだことがなかったので参考になりました。

 

Vol.115

CORSについての詳しい記事とPHPでの型システムについての解説が分かりやすい。

 

Vol.114

2段階認証と2要素認証の違い、知識情報(パスワードなど)、所持情報(スマホICカードなど)、生体情報(顔や指紋など)のいずれかを組み合わせたものが多要素認証で、特に2つの異なる要素を満たしたものが2FAであること、Eメールにワンタイムパスワードを送信する認証はデバイスの所有に該当しないので1要素の2段階認証であること、などの解説が分かりやすかったです。

またFIDOの歴史と取り組み、FIDO2のWebAuthnがW3Cに標準化されたことで今後広がりを見せることなどについて知れました。
 

Vol.113

ドメイン駆動設計の解説が素晴らしい。

 

Vol.109

Fastlyを例にしたCDNの仕組み、キャッシュ設計、その他便利機能について。

 
 

書評)ヤフーの1on1

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

ヤフーの1on1 部下を成長させるコミュニケーションの技法 [ 本間 浩輔 ]
価格:1980円(税込、送料無料) (2020/7/25時点)

楽天で購入
 

 

感想

だいぶに前に購入したけど、今更1on1の本か…と思って積読してたのですが連休を使ってやっと読み終わりました。
 
人の成長のうち7割は仕事の経験から、この7割に焦点を当てて経験学習を浸透させる手段としての1on1というテーマで、それをやる意味から手法まで基礎的ですが大事なことを教えてくれます。
1on1は部下のため、という聞いてはいるけど忘れがちなコンセプトとその理由、陥りがちな失敗、具体的な手法は、初めてリーダー職になって1on1を始めた人だけでなく、既にやれてると思ってる人(=自分)が再考する気づきも与えてくれます。
 
コルブの経験学習モデル、
  • 具体的経験→内省(振り返る)→教訓を引き出す(持論化、概念化)→新しい状況への適用(持論・教訓を活かす)
このサイクルを回しメンバーの成長とキャリア開発を支援して、結果として組織の安定と成長、事業の成果に結びつける1on1という手法についていい感じに振り返りをさせてくれる本でした。
 
 

ポイントサマリ

マンガで学ぶ1on1ミーティングの基本
  • 経験学習
    • 自分の経験を詳細に思い出して、言葉にして、深く内省することが必要
    • 助言ではなく、遮らず、本人に話させて考えさせる
  • 言い換え
    • 部下の発言から状況を想像して適切な言葉を選び投げかける
    • 別の表現、視点から部下が考えを深め掘り下げるよう促す
    • 肯定、否定、評価をせず部下が考えを深めるよう反応する
    • 否定は常にNGではないが慎重に
  • 行動で終わる
    • 指示するのではなく、行動のイメージを浮かべてもらうよう問いかける
    • 本人から行動宣言をさせ、コミットメントを引き出す
 
1on1とは何か
  • 7:2:1の理論
    • 7割は仕事経験から学ぶ
    • 2割は他者から学ぶ
    • 1割は研修や書籍から学ぶ
  • 経験を学習に変換するアクション、振り返りが1on1
  • コルブの経験学習モデル
    • 具体的経験→内省(振り返る)→教訓を引き出す(持論化、概念化)→新しい状況への適用(持論・教訓を活かす)
  • 部下が情熱を持てる仕事、職業感について話し合う
  • 自分で見えない客観的評価について伝え話し合う
  • 部下の目標に対するラップライムを測り伝える
  • 「今日は何を話そうか」
    • 部下がテーマを決め、上司が聞きたいことを聞く場ではない
    • 習慣化すると部下は準備するようになり前もって内政が始まる
  • 「もう少し詳しく聞かせて」
    • 部下の頭の中の動いてなかった部分を動かし内省を深める
    • アドバイスをしがちだがそれでは依存が強まるだけ
  • 「○○って事?」
    • 曖昧なことを明確化する為に質問する
    • 極端に言ってみるのがコツ
  • 「なるほど」
    • 否定せず評価せずニュートラルに受け止める
    • 部下に「こんなことも話していいんだ」と思ってもらう
  • 「○○さんは○○したいんだ」
    • あえて主語を明確にすることで本人の本音であることを確認する
  • 「うん(沈黙)」
    • アドバイスをグッと堪えて部下が考え言葉を発するのを待つ
  • 自分に対するネガティブな発言に「自分ではそう思ってるんだ」
    • 「そんなことないよ」と言われることを期待されていてもニュートラルに返し思考を深める
    • 期待していることを言ってもらうと思考が止まる
  • 「次はどうする?」「今決めなくてもいいけど」
    • 教訓化ができたところで次の行動を宣言させる
  • 「いつまでに?手伝えることは?」
    • コミットメントを宣言させる
    • 上司が手伝うと部下もやらないわけには行かなくなりコミットメントを誘発する
    • 上司としてもコミットメントに協力できることは理想
  • 1on1サーベイは1on1を上司・部下のブラックボックス化を防ぐ仕組み
  • 制度化
    • 「やったほうが良いこと」は「やることになっている」方が楽
  • コミュニケーションの定義
    • 仕事では「自分の意図を相手が理解し、実際に行動する」こと
 
1on1に置ける働きかけ
  • 第1段階:信頼関係の構築
    • アクティブリスニング
    • レコグニッション:無条件の肯定的な配慮
      • 自分の期待値と部下の感じていることにGAPがあっても、部下が感じていることは事実として認める
      • もっとやれるはずと思っている部下が「忙しすぎる」と言っても、まずはその事実を認め共感する。同意しているわけではない
      • 信頼関係を構築するための手段として意識する
  • 第2段階:学びの深化
      • 質問を重ねて部下の新たな発想や気づき、思考の言語化を促す
      • 問題点が明らかになったら次の行動を促す
      • 内発アクションの方がやる気が出る
    • ティーチング
      • 社内ルールのように知ってれば済むことはティーチング
    • フィードバック
      • 上司が期待する水準と、部下の成果との差を伝える
      • なぜその差が生じているのかを明らかにする
      • 相手が気付かないことを伝える
        • 非言語なこと「Aさんのことを話すときに手を組むけど、苦手意識があるの?」について気付かないことを伝え、気づきを得るきっかけを作る
    • 「学んだことは?」
      • 失敗から、1on1から学びを深める為に問いかける
      • 学びは言語化されるプロセスを経て認識される
  • 第3段階:次の行動の決定
    • 「この学びを次にどこへ活かす?」
      • 守られなければ「なぜできなかったのか」についてまた話す
  • コラムから
    • 内容のメモを共有してくれることはありがたいと感じる
    • 成功はなぜ成功したかを振り返って言語化しないと再現性が生まれない
    • 1on1が「部下のための時間」というコンセプトを受け入れられない人もいる。まずマインドセットの教育が必要。
 
 

書評)みんなでアジャイル

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

みんなでアジャイル 変化に対応できる顧客中心組織のつくりかた [ Matt LeMay ]
価格:2640円(税込、送料無料) (2020/7/19時点)

楽天で購入
 
 

感想

手法としてのアジャイルマインドセットとしてのアジャイルの双方が密に繋がっているものとしてのムーブメントとしてのアジャイルが、開発チームだけでなく経営、マーケティング、セールスみんなでアジャイルを実践し価値を生む為に欠かせない、みたいなテーマ(だと思う)。
 
全体を通して僕の印象に残ったのが「なぜ」を考える、目的を考える、という事についてしつこいくらいに言及している事。アジャイルのプラクティスを取り入れるにしても「なぜ」それをするといいのか、何を目的としているのか。そしてその先、何を顧客に届けるのか。アジャイルの根底にある価値と原則を理解する事が職種問わず文化を作り組織を変えていくんだ、みたいなメッセージを受け取りました。
 
あとダイバーシティと並んで使われるインクルージョンという言葉について「誰もが参加して貢献する機会があって、その人が持つ経験やスキルを活用している状態を指す」という話については今の自分の組織マネジメントのヒントを貰えました。
 
ボリュームがそれほどないので内容としてはそれほど詳細じゃないけど、組織の変革に関する「考え方」に色々ヒントを貰えたのと、たまに基本に立ち返るのも大事だな、と思えた本でした。
 
 

ポイントサマリ

アジャイルとは何か?なぜ重要なのか?
  • アジャイルムーブメントは、企業の厳しい条件に反発したソフトウェア開発者の間で同時に起こったもので加速度的な技術の変化に対する反動だった
  • アジャイルは私たちをより良い方向に向かって協働させる
  • 私たちのチームや組織は、採用したプロセスが生み出すのではなく、一緒に働く人たちが生み出すもの
  • 私たちは習慣の奴隷で、多くの組織は従来の仕事の仕方が築き上げてきた総和。アジャイルの原則がそれを避けるのに役立つ
  • アジャイル、リーン、デザイン思考はムーブメントであり、急激に変化する世界において組織はどのようにして顧客のニーズを満たすことができるのかという、類似した根本課題に取り組んでいる
    • アジャイルはベロシティ、プロダクトを市場にリリースするスピード
    • リーンは効率性、製造プロセスからどれだけ無駄を排除したか
    • デザイン思考はユーザビリティ、プロダクトが顧客に提供した価値
 
自分たちの北極星を見つける
  • 解決しようとしている課題や、解決のために従う原則を理解する
  • 正しいプラクティスに従う前に、これまでの何が正しくなかったを確かめる
  • ラクティスを意義のあるものにする為に、ゴールと課題を設定する
    • チームや組織が将来なりたい状態は?
    • 現状は?
    • なりたい状態になれないと思う理由は何か?
  • ラクティスを自分のものにする為に、アジャイルの価値と原則を使って変化を促す
    • 価値と原則をどのように捉えたら、組織のゴールを達成する為に役立つか
    • ラクティスを組織に合わせて特殊化はしても、骨抜きにしてはいけない
 
顧客から始めるのがアジャイル
  • アウトプットより顧客に届ける成果
  • 組織重力の第一法則
    • 組織に属する個人は、日々の責任やインセンティブと整合性がなければ顧客と向き合う仕事を避ける
  • UXや顧客サポート担当が重要な決定の場にいることはない
  • アジャイルは今までと同じものを速くやる方法とみなすと、顧客が違うものを欲しがるかもしれないという本当のリスクから逃れられないかもしれない
  • 包括的なドキュメントよりも動くソフトウェアを
    • 顧客に価値をもたらさない中間状態に費やす時間を減らす
  • MVP
    • 手遅れになる前に顧客の体験を理解して改善できる
    • 顧客を起点にしてそこから戻るように作業する
    • 顧客が利用するときの準備、環境、状況は?
  • 原則
    • 顧客にフィードバックをすべてのサイクルで必須にする
    • 自分たちの「動くソフトウェア」の定義を見つける
      • 各スプリントの終わりに届けてテストするものは何か
    • 今やった仕事を捨てる覚悟をしておく
      • 作る速度よりも顧客の学習を重視する
    • 細部に囚われすぎないようにしておく
      • 正解は多くの試行錯誤から生まれるし状況は変わる
  • 会議のアジェンダ、ドキュメントに顧客のフィードバック、インサイトを登場させる
 
早期から頻繁にコラボレーションするのがアジャイル
  • 例えばコンプライアンスチームと早期に
  • 会議は報告と批評の場ではなく共有と決定のための協調の場
  • 形式的な会議の枠を超えて非公式なコミュニケーションの場を広げる
  • 「温室」のアプローチ
    • 例えばビジネスオーナー、デザイナー、エンジニアを同じ部屋に集める
    • 何を決めるかを決める
    • 会議・意思決定におけるタイムボックスの練習をする
    • 参加者への期待を明確にする
    • 会議と呼ばず、時間の無駄という思い込みから脱出する
    • 同期して行うことと、メールなど非同期チャネルを使い分ける
    • 誰もが参加して貢献する機会があって、その人が持つ経験やスキルを活用している状態を指す
    • 既に取り組んでいる人、動いているものを見つけてつなげる
    • うまくいったやり方を他に適用してみる
  • なぜデイリースタンドアップをやっているかを明確にする
    • チームのゴールに合わせて質問を変えてもいい
  • 下流だけでなく、上流の戦略でもコラボレーションを起こす
  • アイディアや試作を完成し洗練する前に共有する
    • 壊すことに抵抗がない段階で共有する
  • 非同期フィードバックを依頼する際は誰になぜを明確にする
 
不確実性を計画するのがアジャイル
  • 年間計画がある場合でも、4半期ごとなどに学習の機会を取り入れ、年間計画を達成する為に短期サイクルを見直すことはできる
  • 振り返りは最良の学習の機会
  • 定期的に顧客や市場に関する新しい情報を組織全体の人たちと共有する場を設ける
  • 決定を下す際に100%の確実性を要求しない
    • 変化する可能性をプロジェクト計画の一部に含める
    • 意思決定を低〜高インパクト、不確実〜確実でマッピングし、確実なことと重要なことを区別してリスクについて話ができるようにする
 
3つの原則に従い、早くて柔軟で顧客第一なのがアジャイル
  • リーダーがアジャイルを受け入れる為に、アジャイルによって個人が何を得られるかを明確にする
    • 情報の上下の移動で1日を過ごすハブアンドスポークモデルのミドルマネジメント層になるのではなく、機能横断の世界で専門職と肩を並べて働き、彼らがどのように働くかを理解できる学習環境にいることに価値がある
  • エンタープライズデザイン思考の例
    • 内部ベロシティではなく市場でのベロシティをゴールと理解する
    • 企業に共鳴する言葉を利用する
    • 顧客体験を中心として異なる職能の人たちと協業する
    • 組織にプラクティスが適合し、リーダーシップのサポートを得られればプラクティスは自然とチームにスケールする(プル型)
  • なぜ(目的)とどうやって(方法)は分けて考える
    • 考えるボリュームが絞られる
    • 「なぜ」があることで「どうやって」に合意でき実行のガイドになる
    • 「なぜ」はイテレーションの中で再考し、それが変われば「どうやって」も再構成する
  • プロトタイプ・デモへの3つのフィードバック
    • 「なぜ」に合致していて保護されるべきもの
    • 「なぜ」に貢献していないので削除されるべきもの
    • 「なぜ」に対応する為にもっと洗練されるべきもの
  • 組織のリーダーの評価と昇進基準にアジャイルの価値と原則を組み込む
    • リーダーが学習し発揮した経験を語ってもらう機会を設ける
 
あなたのアジャイルプレイブック
 
 

書評)Elastic Leadership 自己組織化チームの育て方

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

エラスティックリーダーシップ 自己組織化チームの育て方 [ Roy Osherove ]
価格:3080円(税込、送料無料) (2020/3/1時点)

楽天で購入
 
 
感想
「自己組織化」が最近の個人的ホットトピックなのですが、それで検索するとそのままズバリの本が見つかったので読んで見ました。
 
「チームリーダーである私たちの目標は、チームの各メンバーとチーム全体の自己組織化と自己管理のスキルを全体的に成長させて行くことだ」というようなテーマで書かれたこの本は、チームのフェーズを3つに分け、それぞれに必要なリーダーシップのスタイルを解説していました。
 
サバイバルフェーズ:指揮統制型リーダーシップ
  • このモードを解除することがミッション
  • チームに学習する時間がない
  • ゆとり時間を作り脱出する
 
学習フェーズ:コーチ型リーダーシップ
  • 自分や他のバス因子を重要な枠割りから取り除くのがミッション
  • 建設的なことにゆとり時間を使う
  • 経験のないメンバーに一緒に経験させる
  • 適宜、指揮統制型として介入する
 
自己組織化フェーズ:ファシリテート型リーダーシップ
  • ファシリテーターとしてこの状態を維持するのがミッション
  • 現状を処理するチームの能力に注意を払い次に取るべきリーダーシップスタイルを判断する
  • リーダーは実験したり重要なことに時間を使える
 
それぞれのフェーズでリーダーに求められる振る舞いがわかりやすく解説されていました。その内容も良かったのですが、後半が著名なリーダーたちのエッセイ集となっており、そこがまた刺さります。
かつ日本語版特典として日本のリーダーたちのエッセイも収録されているのですが、なんか聞いたことがある人がいっぱい…。
 
「近い・遠い、具体的・抽象的の組み合わせで考えるリーダーとしての方向性の導き方」や、「チームをマネジメントすることを言い訳に、事業やプロダクトや技術から目を背けていい兄貴になりがち」といったエッセイがグサグサ刺さり、気が引き締まるのを感じながら読み終えました。
 
 
ポイントサマリ
 
エラスティックリーダーシップを理解する
 
チームリーダーマニュフェストに向かって努力する
  • チームが求めるリーダーシップは彼らのスキルに応じて変化する
    • リーダーシップスタイルを継続的に変化させるアプローチを採用する
    • チームのニーズに合ったスタイルを認識する
  • 自分自身とチームが改善することに挑戦する
    • ゆとり時間を作る
    • 安全よりもリスクを取る
    • 現状維持よりも実験する
    • 適切な道具、プロセス、実際の仕事環境で実験する
  • メンバーを導くことが中核的なプラクティス
    • 人やコミュニケーションの問題を解決するテクニックを学ぶ
  • リーダーが問題を解決すると学習するのはリーダーになってしまう
 
リーダーシップスタイルをチームのフェーズに合わせる
  • サバイバルフェーズ:指揮統制型リーダーシップ
    • このモードを解除することがミッション
    • チームに学習する時間がない
    • ゆとり時間を作り脱出する
  • 学習フェーズ:コーチ型リーダーシップ
    • 自分や他のバス因子を重要な枠割りから取り除くのがミッション
    • 建設的なことにゆとり時間を使う
    • 経験のないメンバーに一緒に経験させる
    • 適宜指揮統制型として介入する
  • 自己組織化フェーズ:ファシリテート型リーダーシップ
    • ファシリテーターとしてこの状態を維持するのがミッション
    • 現状を処理するチームの能力に注意を払い次に取るべきリーダーシップスタイルを判断する
    • リーダーは実験したり重要なことに時間を使える
       
バス因子(トラックナンバー)に対処する
  • 単一障害展、ボトルネック、士気の低下、成長の阻害
  • バス因子を見つけ、防ぎ減らすことがリーダーの役割の大部分を占める
 
 
 
サバイバルモード
 
サバイバルモードに対処する
  • 中毒性があり留まろうとする傾向がある
  • いくつかのコミットメントを取り消す必要がありそれがリーダーの仕事
  • リーダーの仕事の対価
    • 厳しい要求に応え、判断を下すこと
    • チームをプロフェッショナルにすること
    • 全力をかけてチームがソフトウェアを届ける際に最善を尽くせる状態にすること
  • 自分の習慣を破る
    • 新しい挑戦の前には確かな足がかりを捨てる時期がある
  • 指揮統制型リーダーシップ
    • 会議を開かず決定を下す
    • 悪い決定を正す(Gitを使おうなど)
    • 課題解決は得意な人をアサインする
    • 反対意見には1on1で今のモードを説明する
      • 別のProjectで働いてもらうことも
      • 時間を浪費しない
  • 移行期間に行うこと
    • 不要な会議を捨てチームと過ごす時間を増やし支援する
    • 複数のステークホルダからチームに指示させない
    • 割れ窓理論を理解する
      • レビュー品質の妥協は割れ窓
         
学習モード
 
学習することを学ぶ
  • 学習モード
    • チームを安全地帯の外へ押し出す
      • 抵抗を感じるならチームをうまく操縦できている
    • ゆとり時間を集中訓練に使っている状態
  • 基本はコーチスタイル
    • 間違った決定には時に指揮統制が必要
    • SCMを使わない、というのはありえない
  • 学習には谷(リスクや生産性の低下)があり飛び込むことを恐れてはいけない
    • 全く異なる技術スタックの組織で見習になる、など
  • メンバーを谷に飛び込ませるための「宿題」という方法
    • 全ての会話で一番最後に話す人になる、など
    • 1on1で説明するのが良い
 
コミットメント言語
  • 効能
    • メンバーが阻害要因だと感じていてもリーダーに話しにくいと思っていることを探しだすのに役立つ
    • メンバーが言ったことに対して責任を感じる
  • 制御下にないコミットメントを可能なものに変える
    • バグを今週中に修正します、は制御下にないコミットメント
    • ではなく、毎日5時間をバグ修正に当てます、ならコミットできる
    • 外部要因に関わるものも注意
  • 約束できないことを伝えることは誠実である
  • リーダーもチームもこれを理解し実践する
    • あらかじめこの言語を使うことを説明する
    • 間違いはお互いに直すルールを敷く
    • 最初は不快(谷)になることを知っておく
  • コミットメントを果たせないことがわかった時はすぐに警告をあげる
    • 早ければ早いほど手を貸すことができる
  • Active Listening でコミットメントしたことしてないことを確認する
    • 最後は感謝で締める
 
メンバーを成長させる
  • 挑戦的課題「あなたはそれに関して何をするつもりですか?」
    • コミットメント言語での回答を求める
    • リーダーが解決してはいけない
    • 最初は不信感、反発がありえる
    • リーダーは背後からサポートする
      • 人脈や時間など
    • 解決できなくても罰しない
    • 問題が起きたときに自問することを教えている
  • 宿題
    • 恐怖や不快感を伴う谷に飛び込ませる
    • 日常の作業ではなくスキルを学ぶこと
      • タイピング速度の向上
      • 否定的表現を1日3回までに
    • 定期的にフォローアップする
  • あなたとチームのペース
    • ペースを考慮し挑戦が多くなりすぎないように
    • 短期的な付き合いであっても同様に接することで将来帰ってくるかもしれない
 
自己組織化モード
 
自己組織化を促進させるためにクリアリングミーティングを行う
  • 目的はうまく行っていないことやしまい込んでいる悪い感情、共有すべき情報など、チームが知っていることを全てクリアにすること
  • コミットメント言語、誠実さ、ゆとり時間を組み合わせてチームが自分たちの問題を解決するための学習に向かわせる
  • 進め方
    • 今週うまく行かなかったことは?
    • あなたはそれに関して何をするつもりですか?(コミットメント)
    • 今週良かったことはなんですか?
  • 最後に自分も話す
  • 問題に対してすでに対処しているメンバーの数が自己組織化の度合いになる
 
影響パターン
  • 6つの影響力のコンテキストを考える
  • 個人レベルの能力、モチベーション
    • メンバー自身の問題か
  • 社会レベルの能力、モチベーション
    • 周囲の人々、支援、情報、リソースの問題か
  • 環境レベルの能力、モチベーション
    • 設備や予算、報酬の問題か
  • これらの観点で問題の要素を洗い出して全て解決する
管理職のためのマニュフェスト
  • チームリーダーと役割を分け合う
    • リーダーは技術、チーム、プロジェクトに関連することにおいてチームを成長させることができる
    • 管理職はそれ以外のあらゆることにおいて部下を成長させることができる
    • 全体的なスキル向上や個人を多様なプロジェクトで作業させる、など
 
 
チームリーダシップについて知るべきこと
  • フィードバック
    • サバイバルフェーズ
      • よくない行動、やらなければいけないことを伝える
      • 「XをやめてYだけに集中しなければなりません」
      • 「今週終わらせて欲しいことはXです」
    • 学習フェーズ
      • 欠けているスキルに関すること
      • 貢献してくれているメンバーが直面している難題に関すること
      • 「あなたはXで素晴らしい仕事をしました、それはあなたにとってもとても難しいことだったとわかっていました」
    • 自己組織化フェーズ
      • チーム全体の意思決定や目標に関すること
      • 「このアイディアは素晴らしい。できれば2つ以上出して初めに試したい方を選ぶようにしてください」
      • 「どうすれば目標を達成できるか。そのために支援できることはありますか?」
  • 衝突を学習に導く
    • チームが衝突し決定できない時は、コミットメントの延期を提案する。
    • それぞれを試し、そのデータから判断させる(並行学習)
    • 効率と引き換えに効果を手に入れる
    • サバイバルフェーズではこのアプローチは取れない
  • おそらく技術的な問題ではない
    • 実際は、理解しているのが当然でしていなければ失格という考え方や、それによってグループから追い出されるかもしれないという恐怖かもしれない
    • これは個人ではなく社会レベルの問題
  • コードをレビューしよう
    • できない場合、社会レベル、環境レベルでの問題に目を向ける
  • 空気、食料、水をドキュメントする
    • リポジトリの場所、チームの開発フローはチームにとってそういったもの
    • 「ちょっとした質問」は「ただ」ではない
    • バス因子を減らすことにも役立つ
  • (給与)査定とアジャイルは仲が良くない
    • 査定は個人、非継続的、トップダウンである傾向
    • 学習とキャリア開発を個々のユーザーストーリーに組み込む
    • イテレーションごとにメンバーが学んだことについて会話する
    • イテレーションごとに査定時に参照できる記録を残す
  • 学習を通して導くというリーダーの責務
    • メンバーに失敗する機会は提供するが、それは必ずチームのセーフティネットのコンテキスト内にある
  • Coreプロトコルの紹介
    • チェックインプロトコル
    • 自分がどう感じているかを怒っている、うれしい、悲しい、不安だ、の4つを使って表現する
  • リーダーシップと成熟したチーム
    • 自己組織化フェーズにいるリーダーは、チームを観察することが主な責務となる
    • 実際には重要なスキルを欠いていることがわかったら、学習歩フェーズに押し戻す必要がある
  • 作業負荷を分散する
    • 衝突を恐れて頼みやすい人にばかり退屈な仕事を押し付けてはいけない
    • 衝突に対処するのがリーダーの責任
  • メンバーが自分たちで仕事を管理できるようにする
    • 今後は自分たちで仕事を分配することを期待していると表明する
    • 難しければ手を貸すことも伝える
    • それを実現する方法を理解しているか確認し支援する
  • 見守り、尋ね、敬意を示す
    • 現在妨げとなっているものの根本的な原因を明らかにするためのオープンで厳密な質問をたくさんする
  • リードについて
    • 「言いにくいな」とおもったときこそ発言しよう
    • 実は別のメンバーも気になっている
  • チームに成長してもらうためのリーダーシップ
    • 自分が学び成長する
    • 他人の学び方を学ぶ
    • 1人で抱え込んでいる仕事を減らす
    • 現在を記録し、後になって振り返る
    • 成長したチームを維持するために力を発揮する
      • 解散からリスクをとって守る
  • コミニケーションメンテナになる
  • コンセプト駆動のリーダーシップ
  • 相互リスペクトの維持
  • 部下やメンバーに鍛えてもらう
    • 共に作業し自分の実力をさらけ出す
  • 静かなリーダーシップ
    • こうあるべきだ、というのを宣言して周りへ説明しながら淡々と地道に進み続けていく
  • いく先を決める
    • 集団で活動するときの不安要素
      • 今何をすべきなんだろう
      • なぜそれをすべきなんだろう
      • それによってどうなるのだろう
      • やるべきことは多いが一体どれからすべきなんだ
      • チームの人はどんな人だろう
      • 自分の考えはどう受け止められるだろう
    • 方向性はこれらの道標となる
      • 近い・遠い、具体的・抽象的の組み合わせで考える
      • 制約はチームのモード、余裕と体力
      • 求めるゴールが自分の考えを超えて欲しい時は「遠い」方向性を出す
        • 遠くて抽象的はぼんやりするので具体的にする
      • ゴールが明確でそれを超えたものを求めない時は「近い」方向性を出す
        • 近くて具体的、は裁量がないので抽象的にする
      • 具体的な方向性の例
        • エディタを作る
        • 近いテーマ
          • 起動が早く軽快なエディタを作る
          • 活動がイメージしやすく目指しやすい
        • 遠いテーマ
          • 使う人がコードを書くのが楽しくなるようなエディタを作る
          • チームの能力が足りないと迷走する
      • 方向性は現状、抱えている課題、チームの能力、環境、時間んじくなどから導くもの
  • 採用プロセスについてもっと考えよう
    • 採用も重要な仕事
      • 業務後の疲れた頭で正しい判断はできない
      • 優秀な人ほど見極める力が高いことが多い
    • 採用後のギャップを減らす
      • 無理して採らない
      • 文化や雰囲気に合わない人も避ける
      • チームの平均より上の人を採ることで総合力が上がっていく
      • みんなわざわざファイルを開いて見ないので壁に貼る
    • 名前づけ
      • チームが得た気づきに名前をつけて定着させたり外の人へ伝える
    • 初めよければ全てよし
      • 良いこと、成功しやすいことを先に行う
      • 振り返りはKeepから
      • ポジティブFBから
    • リズム
      • チームのイベントはリズムを持って定期的に
    • 問題 対 私たちの構図
      • 席を同じ方向に向け視線の先に問題を置く
      • 改革ではなく小さくても良いので行動を起こす
    • 最後に:QoEL
  • 大事な問題にフォーカスする
    • 事業を伸ばすには事業を伸ばすことを考える必要がある
    • ロジックと願望の違い
    • 本当に今最も大きい課題はチームビルディングなのか
    • 「いい兄貴」になる誘惑に負けず、難易度の高い問題から目を背けてはいけない
    • チームをマネジメントすることを言い訳に、事業やプロダクトや技術から目を背けてしまいがち
    • 第一線でリードし続けることが、結果的に自己組織化したチームを作る見本になることもある
 
 

書評)「最高の人材」が入社する 採用の絶対ルール

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

「最高の人材」が入社する 採用の絶対ルール [ 釘崎清秀 ]
価格:1430円(税込、送料無料) (2020/2/23時点)

楽天で購入
 

 

感想
採用活動について「心得「求職者を集める」「応募者から選ぶ」「内定辞退を防ぐ」「自社の採用プロセスを評価する」というステップごとに古い常識についての説明→まとめ→正しい常識、とまとまっていてとても読みやすく理解しやすかったです。
 
既に採用に携わっている人やこれから携わる人が読めばそれぞれのステップで必要な正しい知識と陥りがちな罠を学ぶことができて良いと思いました。
 
例えば採用初期でまだ応募者の知識が浅く企業と関係性ができていない段階で「当社を志望した動機は?」と聴いて判断基準にすることに意味はなく、「企業を選ぶ上で大事にしている、または譲れないところは?」とその人の価値観を探り、一致すればどう一致するのかを言語化して伝えることで、企業と応募者が一緒に志望動機を醸成することができる、みたいに具体的に採用面接に活かせそうなTipsも多く学べました。
 
 
ポイントサマリ
 
求職者を集める
  • 4つの観点を整理する
    • 必須要件
    • 優秀要件
    • ネガティブ要件:あってはならない
    • 不問条件
  • 説明会を社員とのコミュニケーションの場にする
  • プレゼンはそんなに聴いていない
  • エントリーの質を上げるためには、合わない人が遠慮する工夫
    • こういう人は合わない、明示する
    • ネガテイブな面も伝える
      • リアリティショックを抑えることにも
      • 合理的な理由を説明できるように
 
応募者から選ぶ
  • 面接官の先入観への対策をする
    • どんな人材が欲しいのかの認識を合わせる
    • 面接官同士でフィードバックし合う
  • 見極め、動機形成は分けて考える
    • 1次と2次で分けるなど
    • 面接シートは見極め用
  • 志望動機は採用プロセスを通して求職者と醸成するもの
    • 購買動機が上がらないのは売り手にも問題がある
    • どんな基準で企業を選んでいるか、から価値観を探る
    • 入社後の働き方がイメージできるようにする
  • 志望度では合否を決めない
  • 当社を志望する理由ではなく、何を大事にして企業を選ぶか
  • 育成が困難なものを洗い出し、人材要件に入れる
    • 育成可能なものは優秀要件に
  • 業務の性質を振り返り、見極めが必要な能力を考える
    • 自ら楽しんで学習できるか
    • 変化に対応できるか
    • 相手の言葉で状況を説明できるか
  • 社風に合っているかどうかを応募者任せにしない
    • 言語化して伝える
    • 内部事情を紹介しながら入社後の活躍イメージを伝える
    • どういう行動や考え方が評価されるかを考える
  • 質問のポイント
    • 仕事をする上で大事にしていること、譲れないことは?
    • 当社以外で惹かれている企業は?重視するポイントは?
    • 来てくれたことに感謝を伝え話しやすい雰囲気を作る
    • 曖昧な回答を否定せずにまず受け止めて、深掘りする
    • 意見の相違はまず受け入れて、自分の考えを伝える
    • メモを取りながら話すことをあらかじめ伝える
 
内定辞退を防ぐ
  • フォローアップは募集時から始まっている
  • 関心度を高める
    • 自社がどのように人の役に立ち社会に貢献しているかを伝える
    • どんな人が活躍しているか、など
  • 志望度を高める
    • 応募者の大事にしている点、価値観に合った自社の特徴を伝える
  • 適応予想度
    • 入社後にどう適応・活躍できそうかを伝える
  • 内定後の過度な説得は逆効果
    • 内定後の意思決定を支援する、情報を提供する
 
自社の課題を見つける
  • 新入社員に採用プロセスを評価してもらうことは有効
  • 関心度、志望度、適応予想度がどこでどう上がったか
  • 採用サイトで関心度は上がったか
  • 説明会で関心度、志望度は上がったか
  • 面接で志望度、適応予想度は上がったか
  • 内定者フォローで十分に支援されたか
 
 
 

書評)ソフトウェアファースト

 
なんかもう全部入りでした。
 
ソフトウェアは業務を効率化するだけではなく、ビジネスのルールを変えるものであるという考え方をソフトウェアファーストと呼び、
 
ソフトウェア開発を「手の内化(内製してコントロールできてる状態)」するために組織に必要な観点をプロダクトマネジメント、エンジニアリングマネジメント、採用、評価、給与体系、DevOps、経営、組織文化、キャリア開発などなど、様々な観点を交えて著者の方の経験に基づいて語られています。
 
中にはリーン、インセプションデッキ、デザインスプリント、スクラムk8sなどのトピックにも触れていてその経験知識の広さにびびります。
 
ほんと全部入りでした。
 
ポイントサマリー
 
定義
ソフトウェアは業務を効率化するだけではなく、ビジネスのルールを変えるものであると言う考え方。課題ドリブンで出発し、ソフトウェアファーストで解決する。
 
 
誤った品質追求
  • 当たり前品質(基本品質):充足されて当たり前、不足すると不満
  • 一元品質(性能品質):充足されると満足、不足であれば不満
  • 魅力品質:充足されていれば満足だが、なくても仕方ないと受け取られる
  • 無関心品質:満足度に影響を与えない
  • 逆品質:充足されていれば不満、不足であれば満足、人によって異なる
  • サービス開発において重視すべきは魅力品質
  • 他者が真似すればすぐに基本品質になる
 
プラットフォーム構築
  • 小さいうちに汎用性を高めると期待を裏切る
  • 最初は特定の領域、企業が確実に使えるものを
  • APIエコノミーも一種のプラットフォーム戦略
 
あらゆるサービスは課題解決のためにある
  • 恩恵を受ける人が多ければ多いほど支持される
  • 課題ありきで考えないとオーバーエンジニアリングになる問題
  • 最初はプロダクトマネージャーがひたすらその企画が正しいのかを検証する
 
プロダクト企画のやり方を変える
  • プロダクトアウト:作ったものや作りたいものを売る
  • マーケットイン:市場やユーザに必要とされるものを作る
 
10Xを目指す
  • 10%成長なら既存の改善で達成できるかもしれないが10倍となると根本から変える必要がある
  • 制約を強くすることで創造性を生む
  • Chrome bookはPC起動からGmail利用まで10秒を目指して実現した
 
名は体を表すとは
 
競合に対する見方を変える
  • 航空業界の競合はリモート会議システムとなった
  • 終電を逃した客を狙うビジネスホテルの競合はタクシーだった
  • 競合が新機能をリリースしたら、それは誰のどんな課題を解決しようとしているのかを考える
  • 競合は自社に気づきを与えてくれる
 
ユーザーを理解する
  • インタビューでお困りのことは?と聞いて得られる回答に価値はあまりない
  • 観察を通じて本人が気づいていないユーザー自身の理解を進める必要がある
  • 遠慮の文化が邪魔をするときは、周りでお困りの方は?と聞くと有効なことがある
 
インナーソース
  • OSSプロジェクトのやり方を本来クローズな会社組織にも当てはめてみようという考え方
  • 誰もが参加、利用可能な状態で開発を進める
  • 社内ハッカソンのコードをGHEに置き部署を超えて全ての人と社内OSSとして共有
  • 大事なのは社内のエンジニアが担当外にも貢献したいと思える状況を作ること
 
事業会社のIT人材育成、コニカミノルタ
  • 1年半かけて実施、月一回木金土曜
  • 宿題も
  • 講師は社内中心で時に外部講師
  • 前期の受講生から次期運営を選出
 
開発組織のマネージャーの役割
  • メンバーのパフォーマンスを最大化し、成長を助け、成長し続ける組織を通じて事業に貢献すること
  • 現場発信の議論を受け、引き出し、解決に向けたタスクを提案し、リードしていく
  • それに加えて技術面の判断も求められる
 
CTOとVPoE
  • CTOの役割を一部切り出したのがVPoE
  • CTOが主に自社の技術ディレクション、経営に対しての技術面からの関与、開発への投資判断やパートナー選定、事業に対して技術面からの判断を担う
  • VPoEはエンジニアリング組織のトップとしての組織マネジメントを担う
  • テック企業の場合、経営陣に技術出身が多くあえて置かないこともある
 
出島戦略
  • CTO直下で素早い事業判断
  • 何をもって成功とするのかを明確に定める
  • 目的達成の度合いを正確に測定できるKPIを設定する
  • 四半期ごとに何らかの成果を出し、周知を徹底する
  • PoCをやるだけの組織にならないように注意
 
変化に強い開発組織は「信頼」から生まれる
  • やれること、よりやりたいことを尊重する
  • やりたい人に任せてできるようになれば会社の資産となりその人のキャリアアップにもつながる
  • さくらのインターネットではコンテナ、k8sもやりたいひとから発信された
 
マネージャになることを望まないエンジニア
  • エンジニアとしての力量が乏しい人がマネージャとして権勢を振っているのを見ている
  • あまり意味があると思えない事務作業などに追い立てられているのを見ている
 
 

書評)サーバント・リーダー

 

感想
管理職の主人公が仕事も私生活もうまくいかなくなったきたところで妻に勧められて修道院へ一週間入り、そこでいろんなバックグラウンドを持つ同じように悩みを持ってそこへ来た人たちと、今は修道士となりリーダーシップの講義を受け持つかつての伝説的経営者の元でサーバントリーダーについて話しながら気づきを得ていく、みたいなストーリーでした。
抽象的な話になりがちなトピックですが、ストーリー仕立てになってることでとてもすっと入ってきました。
「リーダーとしてのあなたが作り出してきた環境で、従業員たちは起きている時間の約半分を働いて過ごす」という責任を選択したリーダーがどう振る舞う必要があるのか、努力して備える必要のある技能は何か、結果得られる報酬は何か、といった話は全て自分としても気づきの多い内容でした。
特にサーバントリーダーシップについて、これまで基本として「奉仕し導きましょう」だと考えていたところに対して、「リーダーを選択した時から奉仕し犠牲を払うことが求められ、その行動の結果として権威(影響力)が備わっていく」という視点は新しく、サーバントリーダーシップを実践する目的がよりクリアになりました。
今後も何度か読み返したいと思える本で、うちの部署でも沢山のリーダー的な人たちに読んでもらいたい本でした。
 
ポイントサマリ
 
リーダーが見落としているもの
  • リーダーとしてのあなたが作り出してきた環境で、従業員たちは起きている時間の約半分を働いて過ごす
  • 権力は地位や力で強制する力
  • 権威は個人の影響力によって、自分の意思通りのことを誰かに進んでやらせる技能
  • 権力は与えたりでき、関係を蝕むもの
  • 権力に頼らなければならないのは、権威が崩れたかなかったから
 
殻を破り、逆転の発想を
  • 自分のパラダイムは包括的で不変のものだと思い、新しいことを受け付けずにいると危険
    • 上から下へのパラダイムでは誰もが上司の方を向いていて客を見ていない
    • 監督者が従業員を客と考えて、彼らが何を必要としているのかを見極め、答えようとする
  • 欲求ではなくニーズに応える
    • 親が子供のやりたい放題やらせることは欲求通りにさせること
    • 人により違うニーズはなんなのか常に自問しなければならない
    • 下のニーズが満たされると上のニーズぎ生じる
    • 一番上は自己実現、最高の自分になること
 
奉仕と犠牲とリーダーシップ
  • なんでも賛成する人間や自分に似た人間ばかりをそばに置くな
  • 奉仕と犠牲から影響力や権威が生まれる
  • 意図 − 行動 = 無
    • 行動が伴わないことに意味は無い
  • 意図 + 行動 = 意志
    • リーダーシップは意志から始まる。意図に沿った行動をする
    • 正しい意志があれば愛を選ぶ。この愛は動詞で、正当なニーズを見極めてそれに応えること
    • リーダーは人々のニーズに応える過程で奉仕し、犠牲を払う事が求められる
    • 他人に奉仕して犠牲を払うと、権威や影響力を手にする
    • 人に対する権威を得た時、リーダーと呼ばれる権利をも手にする
  • つまりリーダーシップは、ニーズを見極め、満たす事
 
行為としての愛について
  • ここでの愛とは、感情を抱くことではなく、良き振る舞いをする行為を意味する
  • どう感じるかはコントロールできないが、どう振る舞うかはコントロールできる
  • 相手が感じ悪くとも、自分は忍耐強く、正直に、丁寧に接する事ができる
  • 忍耐とは、自制する事(過ちの指摘におい。て)
    • リーダーとしての仕事は、設定されている基準と実際の仕事の差を指摘する事で、そこに感情は必要ない
    • 訓練とは行為を正して教育する事で、罰することではない
  • 優しさとは、注意を払い評価し励ますこと
    • 人に注意を払う絶好の機会は、積極的に話を聞くこと
    • 積極的に聞くとは、相手の話す間ほんの数分であっても相手の世界に入り込むという犠牲を払う努力が必要
    • 評価
      • 人は探しているものを見つける、選択的知覚
    • 励ます
      • 誠実さを持って具体的に
  • 謙虚とは、信頼でき、虚偽や傲慢さがないこと
  • 敬意とは、他者を重要な人物として扱うこと
    • なぜなら実際に重要だから
    • 人は存在するだけである程度尊敬に値する
  • 遅刻で伝わるメッセージ
    • 彼らの時間の方が大切
    • 私はそれほど重要じゃない
    • その人は正直じゃない、自分で言った事(時間)を守らない
  • 無私とは、自分の必要より優先して、他者の必要に応える事
    • 応えるのはニーズであって、欲求ではない
  • 許しとは、悪いことをされた時に怒りを捨てること
    • 気づかないふりをすることではない
    • 正当に自己を主張する振る舞いをする
  • 正直とは、欺かないこと
    • 真実を話さない、一部を隠すことも欺くこと
    • 欠点について話し合うのを避けるのは不正直
  • 献身とは、選択を貫くこと
    • あなたが発した言質に、全力を傾け続ける行為
    • リーダーとしての真価は、難しい相手のために努力しなければならない時に顕著になる
  • 愛するという動詞としての愛は、メンバーの正当なニーズを見極め、それに応えることによって、人のために努力する行為を意味する
 
メンバーが成長できる環境とは
  • 成長するのは本人の力、人ができるのは健全な環境を整えること
  • 関係の銀行口座
    • 人前で人を罰すると周りの人の口座からも引き出すかとになる
    • 人前で人を褒めると周りの人の口座にも預け入れる
  • 自分の責任範囲においては行為を規制することができる
    • メッセージとして伝えて自らの変化を促す
    • あなたを変えられるのは、あなただけ
    • 人は自らの選択で変わらなければならない。リーダーができるのは人が変化し成長することを選択するよう、必要な刺激を与えることだけ
    • 規制に従わなければその組織に居続けることはできない
 
どう行動するかを選びとるとき
  • 行動をとることで感情がついてくる
  • 違う行動をとりたいという気持ちが強まれば、そうするだろうと考えるが、そんな感情が生じることはあまりない
  • 奉仕する人を愛し、彼らのために努力して、それに合わせた行動をとれば、時間が経つにつれて、その人たちに好意的な見方ができるようになる
  • 相手が〇〇したら、私は変わる、は責任を押し付けており、かついつになるかわからない
  • どのような要因や因果があれど、選択をするのは本人の責任
  • 考えは行動になり、行動は習慣になり、習慣は人格になり、人格は運命になる
 
リーダーにたいする真の報酬
  • 権威を持って導くという訓練を自らに課すことは、個人的なミッションステートメントを掲げるようなもの
  • 人間としての真の目的は、心理的、そして霊的な成熟に向かって成長すること
  • 愛し、奉仕し、他者のために努力する中で、私たちは自己中心的な考えを捨て去っていき、自らが成長していく